好いーと九州

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カテゴリ:福岡 > 喫茶・カフェ・お菓子

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薬院大通り駅から数分。
浄水通り近くに「フランス菓子・16区」がある。
1981年のオープン以来、代表菓子の「ダックワーズ」で全国的にも知られている人気店だ。
店名は、オーナー・シェフの三嶋隆夫氏がフランスで修行した店「アクトゥール」の住所であるパリの高級住宅地"16区"に因んだもの。

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その修業時代の1979年に、三島シェフが考案した焼き菓子が「ダックワーズ」。
フランスでは、生菓子あるいはアントルメの底に敷く使い方をされていたアーモンド生地を「和菓子の最中に相当するものにすることで、新感覚の焼き菓子ができるのでは」という着想から生み出された。

外側がサクサク、内側がふわっとした食感が絶妙で、紅茶によく合う。
三島シェフは、ダックワーズをきっかけに「現代の名工」を受章している。

店内には他にも、九州のかぼちゃやイチジクなどを用いた生ケーキ、フィナンシェ、マドレーヌなどの焼き菓子、スポンジケーキなど豊富なお菓子が並ぶ。
ウィンドウを眺めているだけで目移りしてしまうこれらのフランス菓子は、2Fでのイートインも可能。

ただ、イートインスペースは、窓に面した横1列のカウンター席かつそこまで広くないため(また結構混むため)、個人的にはテイクアウトがおススメだ。是非お立ち寄りを。

参考資料:
フランス菓子16区公式ウェブサイト

【基本データ】
営業時間:
ショップ 10:00~18:00
喫茶コーナー 10:00~17:00
定休日:月曜(および一部火)
喫茶コーナーは、定休日と木曜日が休み
※最新情報は、公式ウェブサイトの「定休日カレンダー」を参照ください。



アクセス方法:
地下鉄薬院大通駅より徒歩4分

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(写真は川端店)

博多を代表する銘菓「通りもん」で知られるのが博多西洋和菓子・明月堂だ。

1929年の創業以来、巻き煎餅、明月饅頭といったヒット商品を売ってきた明月堂は、初代社長・秋丸裕一郎氏の長男・卓也氏が「博多じまん」、「カッティングカステラ」(看板商品のカステラを客前で一斤分カットしたもの)などをヒットさせていく。

工場も増設され規模を拡大していった明月堂であったが、山陽新幹線が開通すると、カステラの本場・長崎の店舗が博多に進出。
競争激化による売上減に危機感をもった明月堂は、1985年「博多西洋和菓子」というコンセプトを打ち立てる。
これは「博多もんにしか作れない和菓子と洋菓子の良さをミックスさせた商品を作ろう!」というものであった。

1986年には、このコンセプト第一弾の「博多っ子」を発売。
辛子めんたいが甘いパイに絡んだヒット商品だ。

だが競争が激化する中で、明月堂の経営を安定させるには、これではまだ物足りなかった。
「博多西洋和菓子」のコンセプトを貫くには、決定打となる大ヒット商品が必要であった。

そんな折「博多じまん」を懐かしむオールド客から「明月堂の饅頭を食べたい」という声から、多数挙がってくる。

「福岡にはすでに全国屈指の饅頭がある。後発では勝てる見込みがない。それに、せっかく新しい取り組みを始めたのに、安易なお菓子づくりに向かいたくない。ヒット作「博多じまん」の復活は、一時しのぎにしかならない」

卓也氏は、当初こう考えていたが、客からの声は止まず、ついに饅頭づくりのプロジェクト・チームが組まれる。

1. 日本中どこにもない饅頭を開発する。
2. 日にちが経つほど美味しくなる饅頭をつくる。
3. 材料はできる限りの最高の物を使う。

この3つの目標を掲げて開発され、1993年、満を持して登場したのが「傑作まんじゅう博多通りもん」であった。

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「通りもん」とは博多どんたくで三味線や笛太鼓でお囃子をして練り歩く人のこと。

白あんに、牛乳や生クリーム、卵を加え、ミルキーな皮で包んで焼き、熟成させたこの傑作饅頭は、瞬く間にファンを拡大。
2019年現在、18年連続モンドセレクション金賞受賞の大ヒット商品となっている。

さて、現在、明月堂では、「通りもん」、「博多じまん」、「明月堂かすていら」、「博多っ子」などの他、国産あずきあんをたっぷりと入れたよもぎ餅「畔摘みもち」、"日本一甘いぜんざい"の「川端ぜんざい」なども販売されている。

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どれも美味しいので、「通りもん」以外の銘菓も是非味わってほしい。

【基本データ】
営業時間:店舗により異なる。(こちらで確認)
博多通りもん:5パック入り560円(税込 ※2019年4月現在)


(本社売店への地図です)

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デパート岩田屋の地下喫茶部責任者であった井野耕八郎氏が、1949年に開業したのが「珈琲を愉しむ店 ばんぢろ」だ。

井野氏は、ドリップ式抽出法を確立・普及させた一人者で、昭和天皇が佐賀県唐津市を訪問した際も、飲食部門の責任者の1人として珈琲を献上している。

残念ながら、筆者は往年の「ばんぢろ」を実際に訪れたことはないが、「ふくおか喫茶店文化史①(アソシエブックス)」によると、西鉄ライオンズの選手も常連客として訪れ、井野氏も平和台球場ですべての試合を観戦し、珈琲をベンチの選手たちに差し入れていたという。

そんな古き良き福岡の喫茶を、井野氏の孫・徳安善孝氏が博多・上川端通りに復活させた。
それが「Brewer's Coffee ばんぢろ」だ。

昭和天皇に献上された当時の味が再現された「ばんぢろ方式創作ブレンドコーヒー」は、酸味薄くまろやかでほんのり口当たり優しい。
他にも、エスプレッソ、そしてティー・メニューも豊富にある。

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2017年8月にオープンしたばかりのカジュアルな店内にはカウンター、テーブルともに7席ずつ。
何度か訪問した際には、カウンターで地元の老人が店員と会話を楽しんでいた。
形変われども、かつて多くの喫茶で見られた社交場の機能も、しっかりと息づいている。

充電設備やfree wifiも具備した使い勝手の良さ。ドリンクは2杯目以降、200円引きというのも嬉しいし、個人的には、大好きな上川端の商店街にあるというのも良い。

上川端の喫茶店といえば、琥珀館に足が向きがちだが、頻繁に寄りたい店が増えた。

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福岡の喫茶好きなら知らない人はいないであろう名店の1つが美美。
吉祥寺の珈琲店「もか」で修業した森光宗男さんが、1976年に30歳で開業した店だ。
元々は天神西通りにあったが、護国神社前に移転してもう大分経つ。

美美のキーワードは、何といっても珈琲。
前夜に水洗いした珈琲豆をザルにあげて翌朝行われる焙煎は、1日置きに早朝5時から4時間ほどかけられる。
そこで煎り上げた豆を密閉缶に入れ、濡れタオルに包んでゆっくり冷やす。
こうすることで、香りも逃がさないでおくのだ。

生産国を訪れ、原種のルーツを探る探求心。
さらには空間設計も小物も、全てを主役(珈琲)を輝かせるための脇役と捉える珈琲愛。

どうすれば美味しい珈琲になるか?美味しく珈琲が飲めるか?

そんな珈琲への情熱から生まれたメニュー(そして、そこに添えられた紹介コメント)は、どれを飲もうか選ぶだけでワクワクさせられる。
ストレート、ブレンド、デミタスなど種類ごとに複数のメニューがあるが、最初は「コーヒー!ブレンド!」と中味のブレンド珈琲から飲むのをおススメする。

「福岡喫茶散歩」には森光さんのこんなコメントが載っている。

何でもその原点を知ることが大切じゃないかな。行程を省くことで失われていくものが必ずあると思うんです。

100%同意だ。また福岡城跡や大濠公園から足を伸ばして、美美に来ようと思った。

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柳橋連合市場の近くにある小さな喫茶店がベニスだ。
路面電車の専用道路沿いから区画整理で少し下がったのが今の場所。

そのこじんまりとした広さと、カウンター席があることから、地元の社交場として愛されてきたベニスは、オーナーの堀内敏明氏が25歳の時に、ツヤ子夫人と共に開いた純喫茶。

オーダーの度に豆を挽き、サイフォンで抽出する珈琲は、その丁寧さゆえか優しい味がする。
そんな珈琲を氷の中に入れて飲むスペシャルアイスコーヒーはおススメだ。

他にも、珈琲ゼリーやアイスクリーム、さらにホットケーキやナポリタン、カレーなど純喫茶らしいメニューが並んでいるのも魅力的。

変わらぬ市場の様子。そして道路を渡り、那珂川沿いを南に歩けば、ライヴハウスやカフェ、アパレル店など新しい光景もある。
そんな街の様子を、これから先も、ベニスは変わらず見続けている。

参考資料:
福岡喫茶散歩(小坂章子)
現地取材

【基本データ】
営業時間:8:00~18:30(月)~(土)
     8:00~12:00(日)
ブレンドコーヒー:400円



アクセス方法:
住吉通りに面して、柳橋連合市場入り口から那珂川方面に徒歩1分。

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